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ネイビー×ゴールド
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ライトブルー×パープル(左から2番目)
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ライトブルー×グリーン
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ベージュ×ピンク
サンジョルジオ・ア・クレマーノにあるフランチェスコ・マリーノのクラヴァッティフィーチョを初めて訪ねたのは十数年前。親友コスタンティーノ・プンツォのサルトリアから歩いてすぐってこともあり、コスタが連れていってくれました。そのときはコスタがマリーノ氏を上手くコントロールしていたこともあって「これがウワサのマリーノさんか。生地をカットする姿とか超貫禄あるし、古そうな生地とかたくさんあるし、おばちゃんたちの手の動きもこなれていて、ここは素晴らしい工房だなぁ」という無難な感想で終わりましたが、再訪するとマリーノ氏のキャラが濃いったらありゃしない。
最高のネクタイを作っているという自信からだと思うのですが、クセが強くて頑固なんですよね(悪い意味ではないです)。
棚には個性的なヴィンテージ調の生地や大柄の生地がたくさん積まれていて、それらは日本でも非常に人気が高いと思うんですけど、マリーノ氏のヒストリーを辿っていったときに個人的に面白いなと思うのはストライプタイなんですよね。
マリーノの工房は1960年代、アメリカ向けにネクタイを生産していたことこともあり、1945年生まれのマリーノ氏は1970年~72年か73年までの間ニューヨークに住み、アメリカのネクタイ工場で働きながら大量生産のネクタイ作りを学んだ経験があるんです。ナポリに戻ったあとはそれまでのイタリアとの取り引きをストップさせてアメリカの店向けに大量生産のネクタイを始めたものの、自分の理想はそれではないことに気づき、ナポリ伝統のハンドメイドのネクタイ作りに戻るわけなんですが、アメリカ時代とずっと向き合ってきたマリーノ氏にとってストライプタイの基本は当たり前のように右下がりなんですよね。
基本の仕様は三つ巻のスフォデラータ。ヘムが太いんですけど、僕はそのヘムにマリーノ特有の愛らしさを感じてしまい、すごく好きなんですよね。
そして何よりノットとディンプルがとてもきれいに作れて結んだときのしっくり感がとてもいい。マリーノ氏は生地選びのこだわりと、この生地にはこの芯地というこだわりが非常に強くてこちらのリクエストなんて聞いてくれないのですが、だからこそ常に“マリーノ クオリティ”を保てていて、そこが彼らのネクタイの信頼性を高めていると思うんです。
ちなみにこちらの配色、もろにトラッドだなぁ。絶対ほかさんはバイイングしないと思うんですけど、これもまたマリーノらしいというか、周回遅れのトップみたいな感じでしょうか。ヴィンテージ感の強い柄が人気の中で、逆にあえてこういうフレッシュな感じのものが新鮮に見えるんですよね。春っぽくて爽やかでいい!
マリーノの3つ巻きストライプタイ、オススメですよ!
【商品詳細】
生産国:イタリア
素材:シルク100%
仕様:三つ巻 スフォデラータ
長さ:146cm
大剣幅:8cm